市場原理

ある地域で、例えばごぼうが不作でごぼうがとんでもなく値上りしたら、よそから旅の商人がやってきてごぼうを売る。普通より高く売れるから商人はまる儲け、だがいいことは長く続かない。いずれ噂を聞きつけた商人があちこちから集ってきて、だんだん競争が激しくなって、無茶苦茶な高値で売ったら他の商人に客を取られるようになる。だから、だんだんごぼうの値段は元どおりになってきて、通常の値段よりわずか高い水準、順当な輸送費に相当する値上げですむようになる。

これが資本主義経済、あるいは市場原理というものだと思うのだが、貸し渋りというのがよくわからない。

借りたい奴がいてこれまで貸してた奴が貸せなくなったら、これはごぼうの不作と同じで、一時的な値上げはあっても、旅の商人が集ってきて、よってたかって売りつけるはずだ。つまり、現在、この国ではリスクに見あった順当な金利より多少高くしても借りる奴がわんさかいるわけだから、よだれをたらして「貸したい貸したい」というのが集ってくるはずだ。

それが外資になるのか金融業の中のちょっと違うジャンルになるのか、金が余っている一般企業が参入してくるのかはわからんが、ここで一旗あげたい「旅の商人」はたくさんいるはず。金は一番融通がきく商品だから、法的な規制とかいろいろあれば、陰に回って何かのダミーを使って商売するのも簡単なハズ。

だから、銀行が貸し渋りをしても、ただそこにビジネスチャンスが発生して「旅の商人」が集まってくるだけで、客はちょっと待ってちょっとだけ高い金利を払えば、ほぼふつうどおりにごぼうをGETできるはずなんだが。

いったい何が参入障壁なのかずーっと新聞読んだりして考えてるんだが、ちっともわからない。