四間飛車はGPLでライセンスされている

将棋界では毎年のように新しい戦法が生まれるが、これがオープンソースで運用されている。

まず、コピーライトの明確化。「塚田スペシャル」とか「藤井システム」とか「中座流」というように、多くの戦法がそれを考え出した奴の名前で呼ばれる。

だが、藤井以外の棋士が「藤井システム」を指しても誰も怒らないし藤井に使用料を払う必要はない。それどころか、塚田に対して「塚田スペシャル」で挑む奴がいてもいいし、実際にたくさんいた。つまり、使用は一切制限されていない。

そして、将棋の戦法というのは途中にたくさんの別れ道があり、多くの棋士が細かい分かれ道を研究し、たくさんのパッチが発行された。それによって戦法は進化して行ったのだ。

何より重要なことは、過程が全て公開されていることだ。当然のことだが、将棋では指した手は全部公開され、誰が何を考え誰が何に貢献したのか一目瞭然である。こういう世界で切磋琢磨することで、技術が進歩していくのである。将棋では、ソフトウエアと違ってこれ以外の方法があり得ないので、残念ながら比較対象するものがない。だから、この事例からオープンソースの効用を知るためには将棋を勉強するしかない。最近の有段者レベルの将棋ソフトどころかスーファミにも勝てない俺が言うのでは全く説得力がないし嘘なのかもしれないが、これによって将棋は急速に進歩しているのである。