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大変なことに気がついた。豊川の主婦殺人、バスジャック、岡山のバット殴打事件、と3つの事件を並べてみると、どれにも模倣の後が見られない。 3つとも死人が出ている事件だからこういう言い方は非常に不謹慎だが、この3人の少年のオリジナリティは本物だ。

殺人の動機、殺人の対象、殺人の凶器、手法、殺人の前後の行動・・・、全てに独創性が見られる。私は音楽を選ぶ時に、独創性を第一の選択基準としている。私の好きなミュージシャンは、みんな世界で唯一のスタイルとメッセージを持っている。この選択基準を3人の少年にあてはめると、3人とも「本物」と言わざるを得ない。

お互いに似てないだけでなく、過去の事件と比較しても似ているものが無いと思う。 3人ともフラフラした弱い少年ではないということだ。人を殺してやろうと考えたことがある人はたくさんいるだろうが、この3人のように独特の手法で殺す瞬間を想像できる人間はそうはいない。そこには、一般人の鼻歌と本物のミュージシャンが作った本物の音楽の違いと同じ、大きな隔たりがある。

これみたいに、全然わけがわからないけど強烈に伝わってくるメッセージというものは、音楽の世界には結構あふれている。メッセージに意味は必要ないのだ。こういうものを鑑賞する時と同じ気持ちで彼らの犯罪を鑑賞すれば、そこには強烈なオリジナリティとメッセージがあることがわかるだろう。

 友を殴り
母を殴り
ボクはリュック一杯のポケモンとともに自転車をこいだ
しうがくりょこうでいった
あの北の地をめざして