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今日の「ここが変だよ日本人」は超能力がテーマで、元スプーン曲げ少年の清田氏がゲストだった。清田氏はスプーンを曲げられなかったが、ゲストの外国人の中で6〜7人(かもっと)がスプーンを曲げていた。これは、もちろん科学的に厳密に管理された実験ではないが、あの番組の製作方法などを加味して考えると、かなり超能力の存在に対する有力な証拠となるような気がする。

と言うのは、その外国人たちの半数程度は毎度おなじみの顔ぶれで、全員がタレントではなく別の職業を持った一般人である。そして、言いたいことを自由に言っている(ように見える)。毎回のように激しい議論が起きて、管理されないことから発生するハプニング性が番組の売りものになっている。

あれがインチキだとすると、超能力者本人が失敗してゲストが成功するというちょっとヒネった演出が行なわれていたことになるが、他の一回こっきりの番組ならともかく、あの番組で「しこむ」のは難しいと思う。しこむとすると、どういう困難があるか。

まず、ゲスト全員がサクラだったとする。とすると、番組スタッフが「みなさん、今日はこういう演出をしますから、御協力願います」と依頼したことになるが、あのうるさい連中が全員一致して、これを飲むとは思えない。相手が芸能人なら、なんらかのプレッシャーをかけて口をふさぐことはできるが、本業と帰る国のある人にはまず通じない。そして、半数は論理や理性で生きているキリスト教圏の人だから、もしそんな嘘を強要されたら、絶対にどっかに訴えでるだろう。

となると、たくさんいるゲストの中に数人のサクラをもぐりこませることになるが、これもかなり危険な作業だ。ゲストの多くは懐疑論者なので、インチキの徴候を目を皿にして探している。「今日は見慣れない顔が多いな」などと思っていたら、そういう新顔だけがスプーンを曲げたとなると、すぐバレてしまう。バレたら黙らせることができないのは、上の仮定と同じ。

それでは、レギュラーのうち何人かを買収すると言う手はどうかと言うと、これは買収を断わられた時のリスクが高すぎる。従って、買収が100%成功するという確信がなければできない。あのさまざまな文化圏から来た人たちの中で、誰が応じるか事前に予測できるだろうか?

では、ゲストは誰も知らないがスプーンにしかけがあったとすると、この場合は、100人の懐疑論者の目をごまかして、本人も気づかないうちに曲るスプーンというものが必要になる。そんな仕掛けが可能だろうか?

そして清田氏はかなり有名人なので、以上のどの場合でも証拠を握って告発する気になればマスコミがよってくる。オウムなどのカルトをたたく材料にもなるネタだから、かなり高く売れるはずだ。テレビ曲とマスコミの力関係も気になるが、テレビ局社員の悪事はかなり報道されているので、マスコミは実利をとると見てよいだろう。国や*宗教*によって倫理観は違うが、こういうインチキを放置しておくとカルトの犠牲者が増えるのは確かなので、告発しないという個人的な必然性は考えずらい。実利があって倫理的にも問題なければ、普通告発する。

従って、しばらく待ってこの件に関する報道がなければ、超能力というものは、99%存在すると見て間違いない。残りの1%は、「本人も気がつかないうちに曲るインチキスプーン」。これは理論的には不可能ではないし、Mr.マリックの手品を見ているとあっても不思議ではないとは思うが・・・。