揺らしたい

バスジャック事件の母親は、入院を拒否されて途方にくれていた時に、ある有名な精神科医に相談して口添えをしてもらってやっと入院させた。この時、親はその精神科医にちゃんとお礼の手紙を書いて、さらにお礼の品として陶器を送ったそうだ。この人は、事件が起こる前に非常に危機感を持っていたように思えて、それだけ子供のことをよく見ていたように思える。そこに何か他の事件と違うものがあると思っていたのだが、この話を聞くと共通にくくれちゃうね。あの親が事件以前に持っていた危機感はすごいもので嘘ではないと思うけど、そう考えるとそれだけにこの「ゆきとどきかげん」はちょっと異常に見える。

子供は親を揺らしたい。でも親は絶対に揺れない。その揺れない親を揺らすためには、どんどん過激なことをやるしかない。事件が不可解でデタラメになっていくのは、それだけ親を揺らすことが困難になっているからだ。普通の犯罪じゃ揺れない親もいるし、あれだけやってもまだ揺れない親だっているのかもしれない。

こういうことで、簡単に法則を作るのは危険なのは百も承知で言うけど、この見方でかなりわかってくるし、結構実効性のある法則ではないだろうか。つまり、親は揺れてしまえばいいのだ。