エンブレムデザインにおいて顧客側の代表者に求められること
これは素晴しいエントリで、特に、対象を絞って書いているのがいいと思います。おかげでロゴデザインが、素人には簡単に口を出せない複雑な作業であることは、よくわかりました。
それで、思ったのは、企業の依頼でこれをやる時、顧客側の担当者が大事だろうな、ということ。
ここで解説されているような、デザインのコンセプトやプロセスとかがわかってて、デザイナーサイドとそのレベルの話ができないとだめ。しかも、決まって類似意匠の調査が終わるまで絶対に外に出せないとしたら、少数精鋭じゃないとだめですね。
そして、それ以上に大事なことは、クライアントの意向や判断を代表できる人であるということですよね。それが担保されてなければ、せっかく苦労して決めたものが、社長のツルの一声でひっくりかえってやり直しになっちゃう。
としたら、一流デザイナー(とても個人ではできないので、チームか組織になると思いますが)だったら、仕事に入る前にクライアント企業のガバナンスがどうなってるか気にすると思うんです。これから打ち合わせして草案を見て、「これとこれがいい」とか「もっとこうしてくれ」という人が、本当にクライアントの意思を代弁している人なのかどうか、デザインのことと同様に、クライアント企業自身のことがよくわかっていて、ガバナンスで担保された形でその人に権限が移譲されているかどうか。そういうことがちゃんとしてなかったら、こういう大変な仕事は受けないと思います。
その人が「よしこれでいこう」と言ったそのデザインを顧客側に開示した時に、企業全体として愛着が持てるデザインにならなくてはいけない。そういう人と話をしなくちゃいけない。
喜んでいるのが担当者だけだったら、担当者が提示した要件を満足して法的問題をクリアしててもそのロゴマークは失敗ですよね。
だから、この問題は、オリンピックのオーナー(主催者)は誰だったんだろう?という問題をクローズアップしたんだと思います。
素人が後から結果に口を出すのは確かによくないと思いますが、それだけにむしろ、密室の段階でオーナーをレプレゼントする方々は、そのことを考えるべきだった。いや、それはちゃんと考えてよくわかっててこうなったのかな?
オリンピックとはあくまでIOCやJOCのビジネスであって、デザイナーサイド(審査委員会と佐野氏)としては、その意向はよく理解して、クライアントが満足できる成果物を作ったのかも。
いずれにせよ、やっぱりオーナーは高級国民だったんだろと応答した2ちゃんねるはやっり核心を突いていたと思います。
でも、あのバッシングは確かにやり過ぎで、むしろ無関心でいるべきなんでしょうね。