2時間ドラマのメールのようなメール

永田メールの件について、日曜日のサンジャポテリー伊藤が「2時間ドラマのメールのようなメール」という面白い表現をしていました。敏腕プロデューサーならではの着眼点だと思います。要するに、観客を意識した文章ということですね。

普通、リアルの会話やメールは、他人が読んで100%理解できるものではありません。たとえば、夫婦のこんな会話。

  • 「おい、あれどこだ?」
  • 「いつものとこでしょ」

聞いてても、他人には何がどこにあるのかわからない。

会社のメールだって、他部署へのメールだったら、かしこまった表現で多少は説明的になるかもしれませんが、日常的に一緒に仕事をしている人同士のメールでは、いろんなものが省略されているものだと思います。

テレビの人は、そういう「生の現実」をそのまま映すと、視聴者にはわかりにくいものになってしまうことに、いつも苦労しているわけです。ドラマの家庭内の会話もそうだし、ドキュメンタリーだって編集とナレーションで、いかにそこを補って明確なメッセージにしていくかということに、膨大なノウハウがあるはずです。リアリティとメッセージ性は相反するもので簡単には両立しない。

そういうテレビ屋さんの目で、問題のメールの文面を見ると、これが「演出後」の文章であることがすぐに感じられるのではないでしょうか。「演出者」が「視聴者」に何を伝えたいのか明確に伝わってくるメッセージだと思います。その意図が、送信者から受信者へ何かを伝えたいという意図に勝っている所がアヤシイと。

人間には、立場によってさまざまな視点があるわけで、その視点を合成するツールがWeb2.0だと思います。