「戦略技術」を育む環境とは?

Nシステム的世界では、技術の問題と権力の問題が直結する。だから、こういうことは繰り返されるのであって、Winny開発者逮捕時に言ったことをもう一度、繰り返して言いたい。

私は、次の三つをきちんと区別して論じるべきだと思う。

  • 倫理的に不当だが違法ではない行為
  • 違法だが逮捕には相当しない行為
  • 違法であり逮捕すべき行為

法治国家では、これらに対応するアクションについて、それぞれ「アカウンタビリティ」が求められる。

それが確保できなければ、「戦略技術」など育ちようがない。

実際、現時点で、サーバーファームに対抗できる可能性を持つ技術はP2Pだけで、その大きな可能性を(少なくとも一度は)我が国はつぶしてしまったのだ。

グーグルやヤフーやマイクロソフトに対抗できるような「戦略技術」がどんなものか、私には想像もつかないけど、ただひとつ確かなのは、そういう「戦略技術」を持つ会社がもし日本にあったとしたら、それはWinnyライブドアよりもっと激しく既存メディアを脅かすわけで、無事ではすまないだろうということ。

そして、グーグルが中国政府の意向を受けいれたように(ゲイツがそれを支持したように)、ネット列強は日本の意思決定を覆して無理やり参入するような " evil "なことはしないだろうということ。

そういう「ジャパンパッシング」を我々は我々自身の意思決定として受けいれるしかないということ。

このままでは。