「世の中は善人と悪人とどちらが多いか」
ここを読んでいるような知的な人は、たいていまず「善人と悪人の定義は?」と言うので、定義について論じることを禁止して、これについて話しあわせる。
すると、たぶん喧嘩になったり険悪なムードになったりする。
「世の中にはしょうゆ顔とソース顔のどちらが多いか」
これだと喧嘩にはならない。
善人と悪人の分布割合というのは、多くの人にとって世界観やアイデンティティの核心に触れる問題なのである。だから、それについて自分と違う意見を目の前で言われると、なかなか冷静になれない。