Beyond氏の「部族長」を探る人たち

自衛隊贈り物めぐり族長から不満もなんてニュースを読むと、イラクでは部族同士の力関係を把握して事を進めないと、何事もうまくいかないようです。パブリックな組織と別に、こういう私的な組織が影響力を持っているというのは、どこの国でもあると思います。

北朝鮮拉致被害者家族の帰国に関して、「世論を鎮静化せよ」という条件を出したり、平沢氏との会談で「あなたなら反北朝鮮の世論を抑えられると思っています」などと発言したという話もあります(ソースは検索したけど見つかりませんでした)。全てが本音とは思えないですが、「世論は特定の実力者の意向によって作られるもの」というふうに彼らは信じているようです。

「世論を鎮静化せよ」と言われて、「自由にそういうことができたら苦労しねーよ」と苦笑した自民党の中の人がいるのではないかと思います。

  • パブリックな組織(政府、企業)
  • 私的なつながり(部族、派閥)
  • 個人の自由意思の集合

三種類のパワーの源泉があって、どれが有力であるかは国や社会によって随分違います。日本では、これらの力関係が急激に変化していると思います。また、それぞれを動かす為の方法は、みんな違います。このうちひとつだけを重視して、錯覚してしまう人が多いように感じます。

悪の最新情報の2月23日と2月19日に、京都府五条警察署がBeyondさんの個人情報をプロバイダーに要求したという話が出ています。Beyondさんと敵対する勢力の部族長がBeyondさんの所属する部族長と直接調整するつもりで、彼の背後関係を洗っているようです。その人たちは自分たちが「部族」ベースの行動を重視しているので、これだけネットのあちこちで騒がれるということは、陰でBeyondさんが総元締めになって煽動しているのであって、彼の背後で彼に指示を与える特定の勢力があると睨んでいるのだと思います。そして、その「部族長」→Beyondさん→他のさまざまなサイトの管理人という一連の命令系統がある、だからこの騒動が起きている(そういう特定の勢力が動かなければ、ここまで騒ぎが広がらない)と考えているのではないでしょうか。ちょうど、北朝鮮が平沢議員を抑えれば世論が静まると考えたように。

しかし、Beyondさんは所属する「部族」からの指示や利害関係でなく、自分の自由意思で、しかも面白半分で悪マニをやっていると私は思います。そして、騒いでいる人たちもBeyondさんとは「部族」的なつながりは何もない、個人の自由意思で騒いでいるのです。そのことを知ったら、彼らは唖然とするのではないかと思います。そういう行動原理で動く人がこれだけいて、ここまでの影響力を持つのか!と。

それはそれとして、京都府五条警察署の捜査は正当なものなのでしょうか?京都府五条警察署を捜査に動かしたものは何なんでしょうか?

  • パブリックな組織(政府、企業)
  • 私的なつながり(部族、派閥)
  • 個人の自由意思の集合

私は警察というものはパブリックな組織として、公平な基準で告訴を受けいれ捜査すると思っています。ですから、Beyondさんに関する私の認識はどこか間違っていて、彼が犯罪に加担しており他の事件より早急に解決すべき問題があると断定するに足る客観的な証拠があるのでしょう。捜査の優先順位や告訴受理の判定基準がそれ以外の行動原理で歪んでいるとしたら、今度は、私の方が唖然としてしまいます。しかし、私が警察が一種類の行動原理のみで動くと考えているのが、無知または錯覚なのかもしれません。

結局、結論として、自分の重視する行動原理に他の人も従うと思いこんではいけない、という話でした。