「大丈夫」販売業

andさんのツッコミの話は健康という病にもつながっていて興味深い。そういう形で薬を求める人には、薬によって埋めなくてはならない空虚があるのは確かだ。

その空虚が何かを言おうとするとなかなか難しくておおごとになるが、キリスト教が一般的な国ではそこを牧師さんや神父さんがサポートしているだと思う。薬屋と医者の違いは、権威を背景にしたある種の落着きのあるたたずまいである。そういう人に「これを飲んでいれば大丈夫です」と言われたいのである。ポイントは「大丈夫です」であって、そういう「大丈夫」を言う商売がどこの国にもあるのだろう。

「大丈夫」製造業でなくて「大丈夫」販売業であるから、そのレベルの説得力なら町にひとつくらいあってなんとかなる。「大丈夫」の流通ルートさえ確保されていればいいのだ。

そして、日本では「大丈夫」の流通ルートが「薬」という物質にのっかっている危ういシステムで動いていた。これも機能しなくなって、いよいよ製造直売のあやしい所に頼るか、自給自足で「大丈夫」を得るしかないくなってきたということか。