DNAがわかるということ

DNAのことがわかるってのは、Linuxで言えばちょうどパッケージ管理がわかるっていうレベルじゃないだろうか。

debianを入れてapt-getをマスターするとたいていのことはできる。WEBサーバでもメールサーバでもすぐセットアップできるし、セキュリティーホールもすぐふさぐことができる。navi2chを入れて2ちゃんねるを見たり、お好みのブラウザを自由自在に入れかえたりすることもできる。

ちょっと口がうまければ、これだけで素人を騙してコンサルになれる。ひょっとしたらこれで女の子を口説くことだってできるかもしれない。

しかし、彼にはCであれRubyであれコードの1行を書くこともできない。本質的なことは何もわかってないのだ。aptのソースを提供してくれるサーバがなければ、何ひとつできないのである。

もちろん、aptを完璧に使うというのはひとつの立派なスキルだ。こういう俺だって、aptについては初心者レベルだ。pinという機能がわからずにこの日記上で救援を求めたこともある。

だから、DNAをいじれるようになったということも充分評価すべきだが、過大評価してはいけない。生物学者には、すでに提供されているDNAを混ぜ合わせてパッチを作るくらいのことはできるかもしれないが、元ネタがなければウイルスひとつ本当の意味で創造することはできないのだ。upstream、つまり生命の本質に関しては科学は何も言えないということを認識しておくべきだろう。