日光の猿

観光客が餌をやるもんで、味をしめてとうとう観光客の持ち物から食い物を奪うようになったそうだ。土産物屋なんかにも被害が出るんで、とうとう県で条例まで決めて、餌をやっちゃいかんと観光客を指導してとにかく餌付けを止めた。それで猿どもはすごすごと山へ帰るかと言うととんでもない、少ない餌を仲間同士で奪いあってでも人間のくれるものに執着している。最近じゃ、走ってる車に飛びこむ奴までいて、事故が起きてるらしい。

どうも既得権益に執着して、たとえ自滅しようとも絶対に他に生きる道を探さないのは、我が種族の持つ共通な性質であるらしい。