無題

中国は民主主義より先に資本主義経済を導入した。民主主義を導入できるほど社会が成熟していないとトウ小平が判断したからだ。この判断の正否についてはさまざまな議論があるが、成熟していない社会に民主主義を導入することは危険であるということはほぼ常識となっているようだ。

そこで俺は二つの命題を立てる

  1. 匿名掲示板の導入のためには一定の社会の成熟度が必要なのか?
  2. 日本はその成熟度に達しているのか?

答えはどちらもYESである。

今や2ちゃんねるでデマを流したり煽動することは不可能だ。デマや煽動が成功するほど対抗言論が厳しくなり、よりレベルの高い論客が現われてくる。論客と言っても、純粋な言論だけでなくAAやタテ読みなどの風刺やチクリやグーグルによるスキャンダルの提示でも叩かれる。各種の荒らしも起こる。一方できちんと根拠を示しルールにのっとったディベートも行なわれる。

2ちゃんねるの祭りには、こういう多種多様な抵抗に負けなかった主張が凝縮されている。これは何かと言えば「世論」以外の何者でもない。嘘だと思うなら、何でもいいから2ちゃんねるでデマを流せるかどうか自分で試してみろ。

政治家やマスコミがこのような「世論」に警戒するのはなぜかと言えば、民主主義における「世論」と匿名掲示板における「世論」が違うからだ。民主主義の「世論」は制御可能であるが、匿名掲示板における「世論」は民意の総体以外の何ものにも影響されない、純粋な世論である。つまり、日本は、マスコミ+選挙より低コストで正確に世論を抽出する仕組みを作りあげたということだ。

俺は、匿名掲示板は21世紀の日本の最大の輸出商品になると思う(金を取れるかどうかはわからんが)。20世紀はアメリカが民主主義を世界中にバラまいた世紀だが、21世紀は日本が2ちゃんねるを世界中にバラまく世紀になるだろう。