勝手喪中宣言

「喪中」というのは実によくできたシステムであって、「俺は喪中だ」と宣言すると、あらゆる祝い事に参加しないですむようになる。人間には、躁にはなっちゃいけない時期がある。そういう時に無理をすると、ドカンとでかい鬱が来る。鬱ならまだいいが、変なビョーキになったりする。

日本では、とりあえず顔を出しとかないとマズいことがいろいろ多いが、一定の条件を満たした時には、騒ぎに参加することを堂々とサボることができる。それを社会が許容する仕組みがあるのはいいことだ。

ただ、あらゆる伝統がそうであるように、現代人にはそのまま適用できない。昔は身内が死んだ時だけ注意してれば話は終わりだったが、今は誰がいつ何で「喪中」になるかわからない。

だから、有給休暇のように一年のうち数日は、自分の判断で「喪中」にしてよいことにする。「喪中」でも仕事や家事はそのままするが、クラい顔をしていてもよいし、クラ顔をしていかん所には出なくてよくなる。使わずにすんだら翌年にもちこして、40日を超えたら残りは切り捨てる。そういうことにするだけで、変なビョーキや犯罪はかなり減ると思うよ。