匂いチューブ

「匂い」がデジタルで入出力できるようになったら、つまり、匂いセンサーと匂い混合装置が発明されてコンピュータの入出力装置になれば、ゲームや映画やテレビの臨場感が飛躍的に増すだろう。そして、テクノロジーの進歩には、必ず暗黒面がつきまとう。

たとえばホラーゲームなんかは、気色の悪い匂いでより兇悪な気持ち悪さを演出できるようになる。ベンダーが競って歯止めの無い軍拡競争をした日にはとんでもないことになる。

あるいは、思想犯的クラッカーは、敵対する国のサイトをクラッキングした後で、そこに自分の屁の匂いをアップしたりする。そのサイトにアクセスした者は、ただよってくる何とも言えぬいやな匂いで犯行が行なわれたことを知ることになるのだ。

だが、Web2.0の時代では、何の分野でもCGM的な動きが時代をリードする。

きっと、YouTubeの匂い版、つまり「匂いチューブ」的なサイトが立ち上がり、そこに世界中からありとあらゆる匂いがアップされる。そうなるとやっぱり人々の興味はいい匂いより嫌な匂いに集るものだ。

たぶん、「匂いチューブで臭い屁ワースト10」みたいなブログが乱立し、ローカルなコミュニティ内部で一番臭い屁をひることが自慢だった奴は、何事も世界レベルの人間は次元が違うことを思い知らされることになる。そして、あっと言うまに「自分が経験できる最悪の屁はせいぜいFOFの中だった時代」は過去になってしまうのだ。

(このエントリ、「CGMとは何か」を実に短かくわかりやすく説明してると思うのですが、さすがにこれを紹介して説明の代わりにするわけにはいかんでしょうな。ハッハッハ)