Googleはどこに向かうのか?

グーグルランクと課題図書を書いた時に、Googleについて、私が漠然と考えていたことが明確に表現されている文章です。

Googleは、検索サービスだけでなく、これからいろんなサービスを手がけていきます。そして、それは全部タダだけどどれもこれも必ず広告がついている。普通は、広告がつくとウザイと思う所ですが、この広告は邪魔にならない。なぜかと言うと、これが恐しくツボを突いてくるからです。

検索結果やメールの表示画面に、「普通の人には興味がなくて、そういうものに興味を持つ物好きは、あなたくらいのものだろう」という商品の広告が出てくるのです。

なんでそんなことができるかと言うと、「○○が好きな奴は××にハマる」とか「○○についてよく喋る奴は××に興味がある」という情報を、たくさんかき集めてくるからです。

世界中の何億何十億というユーザからそういう情報を集めて、世界で一番頭のいい人たちが、難しい方程式で計算して、「こいつはあれが好きだから、きっとこれも好きだろう」というのを出してくる。100%にはならないけど、邪魔と思うよりはむしろそれを信頼して「知らなかったけど、そういうのがあるなら買ってみよう」と思わせてしまうくらいのヒット率になるでしょう。

むしろ、そういう情報をたくさん集める為に、Googleはたくさんの高品質なサービスを気前よくタダで提供するのです。WEBのリンクなんて、責任を持ってやるものではなくて気紛れみたいなものですが、それでも膨大に集めれば、グーグルランクという信頼の高い指標が生まれます。それと同じように、ネット上のさまざまな行動について膨大な基礎データがあれば、それによってユーザの好みに合わせた精度の高いサービスを提供できます。

そして、Googleはネットの外まで手を伸ばしてデータを集めようとしていますするかもしれません。


また、その精度をより向上させるためには、バーチャルな場でのコミュニケーションのトラッキングと、リアルとバーチャルな結びつきをより密にする事が必要となるのではないだろうか?言ってしまえば、PC上で操作する情報の多くがGoogleに採取され、リアルでの動向データをICタグの様なものを利用して収集し、総合的にマイニング、アウトバウンドとして活用すると言うのは容易に想像がつく。

見事な分析だと思います。

ネットビジネスを考えるには、今そこにあるものを前提として考えていてはだめです。常にこういうふうに一歩先を見て、それをリアルに想像した上で、それに対して、どう対抗するのか、それともそれに乗っかっていくのか、全く別のプランを考えるのか等を考えないといけません。

公共性について考える上でも同様で、今あるGoogleを相手にそれをどう位置づけるかという発想では追いつかない。数年後のGoogleやさらにそれを凌駕するもっと新しいベンチャー企業を想像して、そのシステムの中の公共性をどう担保するかを考える必要があると思います。