適正な家賃

アパートを探す時は、「適正な家賃」という枠を持っていた方がいい。そうでないと「もっと安い所があるはずだ」という考えに縛られてしまう。探せばおそらくもっと安い所がある。それを見つけても、もっと探せばさらに安い所が見つかる。「もっと」と言う限り終わりがない。

「適正な家賃」という枠があれば、その範囲に入る物件をいくつか探しあてて、自分の重視するポイントをチェックする余裕が生まれる。駅に近い方がいいとか日当たりとか広さとか間取りとか優先する項目は人によって違う。「一番安い所」には永遠にたどりつけないが、「自分が満足できる所」なら有限の時間で探すことができる。

偏差値や年収とかGDPとか、数字を使う場合には常にこれと同じことが言えると思う。「もっともっと」と言い続けていると、三畳一間1万円台所風呂トイレ全部共同みたいな所に意味なく住むことになる。そういう部屋に快適に住める人間もたまにはいてそれはそれで結構なことだが、それは最大多数の最大幸福ではない。

しかも、家賃一万円という無理をしているのにそれはベストでなく、「他にもっと安い所があるはずだ」という切迫感の中で、妥協して仮住まいしているだけになってしまう。

日本人は数字にならないことまで無理に数字にした上で、「もっともっと」と言うからおかしくなる。数字を見たら、どんな数字でも、まず自分にとっての許容範囲を考えるようにした方がいいと思う。

・・・という教訓を含んだ夢を見たが、俺はオヤジなのでストーリーを書かずに教訓を書いて説教してしまうのだ。