Acting is re-acting

"Acting is re-acting" --- シャーリー・マクレーンが「自らを語る」というテレビ番組の中でそう言っていた。

トークショーのQ&Aコーナで、俳優志望の青年から「共演者がヘボだったらどうしますか?」と聞かれて答えた言葉だ。「演技(acting)とは反応すること(re-acting)です」という意味で、共演者を無視して自分だけいい演技をしてもしょうがないというような話が続いていたと思う。ジャック・ニコルソンは毎回違う演技をしてくるので、それに答えることが楽しみであるというエピソードも披露していた。

しかし、これは明かにもっと深い意味がこめられている。「全ての行動(acting)はみんなが自分にしてくれたことから成りたっています(re-acting)。自分ひとりが何かするように見えてもそれは幻です」という哲学的な意味にもとれるし、「人がgiveしてくれたものに答えることが人生です」というスピリチャルな意味にも解釈できる。

今や有名な話だと思うが、シャーリー・マクレーンは電波系の元祖みたいな人であって著書の中に前世やチャネリングのような話(しかも体験談)がバリバリ出てくる。実は、俺はそれを楽しみに見たのだが、どうもこの番組ではその手の話題が規制されていたらしく、話がそっち方面に行こうとすると、司会者がさえぎったり編集で切られたりしていた。残ったのは、演技や映画の話だけだった。

しかし、シャーリーは全然平気で楽しそうに求められたことを話していた。この質問をした人も、演技の技術論として受けとめ満足していたと思う。その中に、コソーリこういう内容を忍びこませてしまうところがカコイイ。まるではてなの近藤さんのようだ。

こういう、何も無視しない、何も否定しない姿勢が本当のスピリチャルな生き方だと思う。