涙の乗車券

カーペンターズが「涙の乗車券」をカバーしている。当然なのかもしれないが、"She"が全部"He"になっている。これが俺は気にいらない。"He would never be free when I was around"などと平気で歌っている。このセリフ、男が言うのと女が言うのでは相当意味が違うぞ。違う物語になってるぞ。

原曲のとおりにやれと言っているのではない。実際、テンポとアレンジを全く変えて、しっとりとしたバラードになってることはいい。全く問題ない。なぜなら、変えてることを意識してやってるからだ。しかし、男と女を変えて違う物語として歌っていることに、それだけの意識が向いているようには思えない。

「何を突然血迷ってそんな昔のことをわめいておるのだ」と思うだろうが、こういうアメリカ的なノーテンキさと無神経さが気になるのは、時節柄と言えなくもないだろ。