ハルの最後の歌

2001年宇宙の旅」に、デイブが同僚を殺されてしまってから、HALの基板を一枚一枚抜いていくシーンがある。HALは冷静にデイブを説得しているのだが、一枚一枚抜かれるたびに、だんだんと機能が低下して少しずつわけのわからないことを言い始める。コンピュータがいかに進歩しても、あんな風に少しずつ落ちることは絶対にないと思うが、あれはAIの未来予測をして見事にはずしたわけではなくて、人が死ぬ時に起こることを描写してるんだと思う。俺も死ぬ時は、あんな風に記憶の止め金がはずれてバラバラになっていくような気がする。

椎名林檎の「意識」を聞きながらそんなことを考えた。