マイナス成長で持続可能なシステム

中国が14億人の人口をかかえたまま、このまま年10パーセント近い経済成長を続けていったら、石油も肉も何もかも足りなくなる。誰かが違う道を示さなくてはならない。それは誰かと言ったら、どう考えてもわが日本しかないだろう。

何で不況が治らないないかと言うと、もう本当に買いたいものが無いからだ。無理に買いたいものをでっちあげるより、いっそのこと何も買わないで幸せに生きる方法を考えた方がよいと思う。それだと経済はマイナス成長で人口は減っていくだろうが、それでいいじゃないか。

というより、このアニメとゲームの先進国からそういう生き方がカッコイイというメッセージを発信すべきだと思う。次の世代になれば、ほっといてもアジアの国々で日本をカコイイと思う人たちが増える。その時に、「マイナス成長」は素晴しいという倫理観と、それを可能にする具体的なノウハウを我が国が持っているべきなのだ。「おめえんとこはまだ10%かよ。ダセー、うちはここ数年2%だぜ、来年はいよいよマイナスクラブ入り確実だぞ」みたいな競争をすべきなのだ。

こういう価値観に中国とインドを巻きこまないと地球の将来はない。それができる国は、世界中で日本しかないのだ。そう考えると、「失われた10年」は、無駄でも何でもなく、世界の最先端を行く手本のない国の苦しみであって、大変重要な試行錯誤の時期だとわかる。今、この国がこういう状態なのも、あらゆる意味で世界史的な必然ではないかという気がしてくる。