風のクオリア
ということで、親はlibrubyというおもちゃを手に入れてこれで必死になって遊んでいるが、子供はお年玉で「風のタクト」というおもちゃを手にいれてこれに夢中になっている。
はたで見ていると、噂どおり、大海原を船で疾走する爽快感はなかなかのものだ。というか、宮本氏はこの爽快感を核として、その回りに肉付けしてゲームを作ったのではないか。絵でもストーリーでもなくロジックでもなく、海を進むイメージ、つまり、クオリアだけが最初に強烈にあって、それをゲームにしたのだろう。
このようなクオリア-オリエンテッドとでも言うべき手法が宮本氏の創作の特色で、スーパーマリオから風のタクトまで、そのことは共通している。それで俺たちは、マリオやゼルダをしてからそのクオリアの存在を感じるわけだが、宮本氏は当然、それらのゲームがこの世に存在してない時点で、無から自分の頭の中にクオリアを作っている。言葉にできないクオリアを言葉に頼らず脳内にどれだけ維持できるのかどうかが、ゲームクリエイターの才能なのかもしれない。