脳+心+遺伝子VS.サムシンググレート

著者四人(養老 孟司、 茂木 健一郎 、村上 和雄、 竹内 薫)が、みんな凄い人で実に面白い。しばらくこの本からのネタが続くと思う。

まずクオリアデネットという、とびきり頭のいい奴がいるんだが、そのデネットも「(意識あるいは心の中の)あるものに気がついてない」からダメ、と茂木さんにかかるとほとんど門前払い。その「あるもの」に気がついてない奴は話が面倒になるだけだからクオリアには口を出すなということだ。そんなら、どんなに難しくなってもいいから、その「あるもの」を言葉で説明して、「これがわからん奴は入室禁止」と表に書いて貼っておけばいいと思うのだが、デネットのような奴はそういう紙を見るとすぐに「ははあ、なるほどそういうことか」とか言ってどんどん上がりこんできちゃうんだろうね。

デネットのような頭のいい奴に「おまえはココがダメ」の「ココ」が説明できない所が心脳問題の面白さだと思う。普通、話が通じないのは、話す方が馬鹿であるか聞く方が馬鹿であるか両方が馬鹿であるかのどれかなんだが、この場合は明かにそのどれでもないからね。「ココ見てチョ」と指す指も指されるモノの心の中にあって、茂木さんがデネットの心の中に入りこんで「ココだよココ!!」とやるわけにはいかんから、デネットが自分で気づくまでは永遠に気づけない。

こういうことが学問になってるってことが実に面白いことである。