カオナシの安らげる場所

世界を解体することで、ある種のパワーを得ることができる。しかし、場合によってはそれが自分を損ねてしまうこともある。カオナシの陥いった苦境はそれを写実的と言ってもいいくらいに見事に表現している。

宮崎駿は何事も見たとおりにしか書かないリアリストだと思うのだが、あの話にあるように、そういう場合はもうひとつ向こう側の静かな世界へ行くしかないのである。