日本には暇な技官って多いのね

「ネット企業の技術系の役員が暇なわけない」ということは自分には当然の常識のように思えるので、そのへんが理解されてないことにイラだって、反射的に上の記事を書いてしまったけど、よく考えると、その常識はごく一部でしか通じないことにも気がついた。

試しに技官 逮捕 で Google 検索してみると、ザクザク技官の関わった汚職事件の記事が出て来る。

しかし、汚職っていうのも男子一生の仕事ではないけど、いろいろ気を使って人脈を維持して会計的な知識も裏表両面熟知してないといけない仕事であるはずで、利権を維持しながらしっかり技術的な仕事も両立するってのは、なかなかできることではないだろう。つまり、「技官」という職種であっても技術的な仕事をしてない人たちがたくさんいるということになる。民間で技術系の役員とか言っても同様なのかもしれない。悪いことをするのが例外だとしても、技術的な仕事を実質的にしてないことは例外ではないということか。

確かに私が見たメーカーなんかでも、技術系の役員で現役の技術についてこれる人はほとんどいなかった。新しい技術の詳細は分からなくても、経験から大枠で理解して問題の要所をちゃんとチェックできる人もいたので「技術系」という看板が無意味という感じはしなかったが、山崎氏のように、ホットな旬の技術についてきちんと記事を書けそうな人はいなかった。

そういう意味では、いくら新興のベンチャーとはいえ、ライブドアの規模でそういう役員がいるってことは、非常に例外的な会社なのだろう。

私が言いたいのは、本気で技術に取り組んだら他のことをきちんとやる暇はないということだ。

技官や技術系役員という肩書が「本気で技術に取り組んでいる」という意味にはならない。残念ながら、一般論としてはそれが正しいということは認めなくてはならない。だが、山崎氏には濃厚にちゃんとやっていた気配がある。

また、もし片手間で裏金操作をやることが可能であれば、山崎氏が「本気で技術に取り組んでいる」としても、片手間でそういうことにもタッチしていた可能性が無いとは言いきれないだろう。(「裏金や癒着はそんなに軽い気持ちで全うできる簡単な仕事ではない」とその筋のプロが怒るかもしれないけど)

可能性はゼロとは言えないからすぐにその可能性を排除すべきだというのは言いすぎだけど、それが針の穴のような細い可能性であることを承知の上でそれを追及するのと、そういう認識がなくて当然のように考えてしまうことは意味が違う。報道されている通りならば、去年の夏には、そういうことにふさわしい役員や社員が他にたくさんいたわけで、技術を持つだけに転職しやすい山崎氏にそういう仕事をさせる意味があるのか。たまたま問題の送金の時だけ、他にやる人がいなくて担当外の(他に忙しい仕事をかかえている)山崎氏にそういう仕事が回ってきたのか。

勝谷さんは、野口英昭氏の名前を今でも口にし続ける稀有なマスコミ関係者であるだけに、その点を押さえた上で取り組んで欲しいと思う。

それと、こういう形で現場や技術や実務を軽視する傾向、それを軽視しないと偉くなれない(偉い人とみなされない)傾向はどうなんだろ。「技官」が仕事してなければ、その周辺の人が技官の仕事をしていたはずで、そういう人は権力の構造とは関係ない所にいて一生偉くなれない国なのかねこの国は。

(追記)

404 Blog Not Found:山崎徳之代表取締役についてもぜひ見てください。