「中国四千年」の虚実

ギボンが、『ローマ帝国衰亡史』を書いた時、イタリア人は「おれさまの領分に手を出すな」とか文句言わなかったのかなと思ったことがあるけど、当時はまだイタリアという国はなくて、従って文句を言う「イタリア人」なるものは存在しない。

イタリアが古代ローマの末裔であるのと同じくらいは、イギリスも古代ローマの末裔であって、自他共にそれを認めているのだろう。

ヨーロッパの学問は、そういうゆるやかな連続性でギリシャにつながっている。政治と学問が対決して学問がピンチになると、逃げこむ基地のようなものがある。それだから、政治に対してまだいくらか御目付け役ができるのだろう。だから安心して頭目争いができて、だから安心して仲の悪い隣国も参加しているEUみたいなものに参加できるのではないか。