匿名掲示板=バーチャル流民の群=天意
孟子は天意によって承認されてない政権は転覆されるべきと言ったそうですが、そこで言う天意とは、昔の中国では流民の群として実体化しました。
政治がひどすぎると、田畑を捨てて逃げる人が続出して、これによって政治が超流動化した。あちこちにホームレスがあふれてしまった。だから、かなりのDQNでもすぐ何十万人という反乱軍を立ち上げることができたわけです。
司馬遷と司馬遼太郎というぶ厚いフィルター二枚重ねにして見ても、秦をつぶしたヒーローたちは怪しい奴が多すぎる。実利のみで全然ビジョンが無いような奴が、結構、キャスティングボードを握って歴史に名を残しています。
それは、流民の群という超流動化に支えられていたわけですが、その流動性を「天意」として見る伝統が中国にはあるのではないか。
例えば彭越のような「有害」な人間と衆愚が現実を進めるのです。
その流動性の流れついた先にできた漢という政権は、もちろんいろいろ問題もあったけど当時としてはよくできた政権ではなかったのか?中央集権で安定した政治が長く続いたし、文化大国としての中国はこのころできたと言ってもいいのではないか?
総体としての人民には法則というか慣性があるのだよ(小室直樹、いやせめてアシモフでも読んで勉強してください)。そのセンサーとして使える、人畜無害な「ここはひどいインターネット」というものがあるのだから、活用したらよいではないか。
匿名掲示板なんてロクなもんじゃない。バーチャル流民の群です。しかし、それをバーチャルに血を見ないでできることが文明の進歩ではないのか。
田畑=既成の組織にしがみつくことが割に合わないと感じる人が増えていて、そういう人たちが実力行使する前にバーチャル流民と化しているわけですが、流民の群がバーチャルの世界を飛び出してマイクロテロリズムする方がよいのだろうか?
田畑捨てた人間はコントロール不能ですが、よいセンサーがあれば、総体のベクトルを測定することはできる。天意に反する政権は長持ちしないという中国4000年の知恵に敬意を表して、私は「有害判定委」とかそういうのには反対です。
ついでに言えば、匿名掲示板という天意測定装置を中国にも輸出すべきです。