小泉首相=中華思想ハカー論

くまりんが見てた! ? 靖国参拝問題〜視点を変えて見てみようのコメント欄から


小泉首相は少なくとも中国が翻弄できないどころか、思うようにすらいかない首相であり、逆に言えば中国と同じように自らを正当化し存続させるために混乱と矛盾を何食わぬ顔で呑了しその場に応じたアピールが出来る中華思想を身につけた首相であると言えるのではないかと思います。

時間の経過という概念無しに、自国の歴史と現在を直接つなげると、くまりんさんが「中華思想」として批判しているものになります。つまり、現在の自分を正当化する為に過去の全面肯定が必要となり、その為には、あらゆる思想をつぎはぎして都合良く操作してもかまわない、という話で、そして皮肉なことに、小泉首相と現在の中国政府が共に、こういう考え方を持っているという話です。

これを思想として評価するならば、簡単に言えば「好き勝手デタラメなつまみ食いでとても思想として評価するに値しないレベル」ということになりますが、その批判は、小泉首相と同時に中国政府にもあてはまるわけです。片方だけを救うことはできません。

そして、これを政治という現世の営みとして評価するとどうなるか。小泉首相の目的は「中国のアジアでの地位を貶めること」であるとくまりんさんは見ています。私も、中国の独裁国家、非近代的覇権国家としての側面を世界に向けて見せつけることで、中国が民主国家となるような圧力をかけることは、日本の国益になると思います。

それは、国益と言っても、日本の繁栄の為に他国を犠牲にすることではなくて、中国の民主化によって東アジアに長期的な安定をもたらすことでWin-Winの関係を作ることですから、立派な方針ではないかと思います。

そして、その方針を貫徹する最も有効な手段が、「中華思想」だというのも、「なるほど」と思いました。「中華思想」を逆用することで、中国のプライドを傷つけ地位を貶めるわけですが、それは、中国の歴史や文化全体を否定することではありません。実際の儒教や仏教は、そんな浅薄なものではなくて、もっと厚みがあり、正しく理解すればその分だけ近代法の理念にも十分接続可能なものです。

中華思想逆用作戦」はピンポイントで中共政府の恣意的な文化政策や抑圧的な側面のみを爆撃するわけです。

小泉首相の引用する論語は、全然儒教じゃないわけですが、「孔子はそんなことは言ってない」と攻撃すると、「じゃあ孔子は何と言ったのですか」と反撃され、そこで小泉の恣意的な解釈と本当の儒教の違いを説明すると、その説明が全部、今の中国政府の言動にあてはまってしまうという仕組みです。

ですから、これで今の中国政府をどれだけコケにしても、将来、真に民主的な政府ができた時の日中友好には、全く悪影響がない。

これは、ちょっと単純化し過ぎている(曲解している?)かもしれませんが、私はくまりんさんの発言をこのように解釈して、実に納得しました。

「文化的民主化圧力」での強硬姿勢であれば、先方が民主化できなければ仲良くできませんが無理に仲良くする必要ないし、先方がそれによって民主化されれば、そこで真の友好関係を結べばいい。そういう意味で、文化的歴史的におかしい所を世界に晒し上げしていくのは、正しい方針だと思います。

あるいは、民主化という西欧の近代的理念が絶対でないともし中国が主張するならば、それこそ、自国の歴史的思想的蓄積と正しく接続した別の理念を言語化して提唱すべきであり、それがあって初めて、日本がアメリカと距離を取ってその理念の元で中国に接近するという方向も検討できます。私はどちらかと言うと、そちらの道を歓迎しますが、くまりんさんの一連の分析を拝見した限りでは、それは難しいようです。