アイディアの市場化=交通整理屋のステータスアップ=イイ!!

予測市場で要望を吸い上げるという記事で、はてなの近藤さんが、はてなアイディアの市場化について、意図を述べられているが、これはなかなかいい仕組みだと思う。

システムの改善のプロセスには、以下のプレーヤーがいる。

  1. アイディアを出す人
  2. アイディアを評価し優先順位を決める人
  3. アイディアを実装する人

この中で、最も重要なプレーヤーは、2の「アイディアを評価し優先順位を決める人」である。

はてなのユーザが多士済々であることは言うまでもなく、アイディアは豊富に提供されるだろう。はてな開発プロセスのスピードは驚くべきものであるが、それでも無限ではない。当然、多彩なアイディアの中から実現可能で有効なものを選択していかなくてはならないのだが、それをする能力は、アイディアを考える能力とも実装する能力とも別のものだ。

また、誰もが喜ぶような素晴しい提案であっても、技術的に実現困難なものもある。実装者はコストを知っていて、ユーザはパフォーマンスを知っているが、アイディアはコストパフォーマンスで選択されるべきで、コストパフォーマンスを理解しているのは、実装者でもユーザでもない。

そこには、別の能力が必要とされる。

そして、はてなアイディアの市場において、最もポイントを稼ぐ人は、コストパフォーマンスを評価できる人だ。彼は、数々の独創的アイディアの中から、コストパフォーマンスの最も高く、多くの人が喜ぶアイディアを正確に見抜き、そこに自分の財産を投入する。

そのアイディアが評価され実装され、その人は多く儲けて、さらに、その儲けを次のアイディアに投入していく。

そのような「アイディアを評価し優先順位を決める人」がたくさんいて競争する。システムの開発成果の蓄積やユーザ層の変化によって、アイディアのコストパフォーマンスの評価は動的に変化するが、そのような変化に対応できた人が、市場において生き残り、リーダーとなる。

もし、このシステムが最大限に機能したら、そのような成功者は、はてなの社員よりたくさん儲けるようになるだろう。「はてなアイディア市場」が直接金になるというより、そこにおいて長者であることが、たいへんなステータス、勲章になるからだ。そのことによって証明された能力は、直接金にならなくても他で売れるだろう。アイディアやコンテンツが豊富にあって、評価者、交通整理者が不足している状況は普遍的にあちこちにあるからだ。

(関係ないけど「長者」っていい言葉ですね)

以下、当ブログの微妙に関連がありそうな記事

これらの記事で話題になっている「デジタル証券システムによるコンテンツ流通」という記事は消えていますが、2chのこのスレとか、極東ブログに、断片が引用されています。

(おまけ)


はてなの近藤さんの独創性も「コンセプトや人手を借りてくることの天才」というかたちで集約できると思う。

と1年前に私は言っているけど、これが証明されつつあるような気がします。