若人よ、書を読みたまへ

まずはこれに同感なので、こちらにリンクしておきます。

でも、その上の「価値自由」の説明はすごーくわかりやすくて、当然ながらなんでそんなエクスキューズが必要なのか私にはわかりません。教養が無くてむやみとアクセス数だけがあるこのサイトにリンクしてきたのですから、何か問題が起こっても自己責任と思ってください(笑)。

とりあえず、自分なりに理解した所を書いてみます。

例えば、P2Pに関するモデルを作成して、ある変数について

 プライバシー保全確率 = 1 - x
匿名性保全確率 = x

ということを証明できたとします。つまり、プライバシー保全と匿名性は排他的な関係にある。X=1.0としたら、匿名性は保全されるけどプライバシーは完璧に漏れまくる。X=0としたらその逆で、X=0.5としたら両者がほどほどに漏れてほどほどに守られる。

実際には、定量的な関係でなくて定性的な記述になるかもしれないし、関係する条件は多種多様で、ずっと複雑になりますが、このような意味で、社会における事象の因果関連を解明するのが社会科学の努めである。しかし、このXの値をいくつに設定するか決めるのは、社会科学にはできないしするべきではない。それが「価値自由」ということなのでしょうか。

「全体性を断念」とは、この方程式をいくら精緻にしても、解けない変数が残るという意味で、その主張は、何かの理論で証明された事実や法則のようなものではなく、ウェーバーの信念の表明だったのかな。ともかく、この「知的禁欲」という所に、私はすごく魅力を感じます。