法曹界の高木・崎山論争はどこに?

24-Hour Survivalに高木・崎山論争のコンパクトなまとめがあります。とてもわかりやすい。

両者のブログだけを見てると、ブログというメディアが論争に向いてないとも思いますが、こういう見事なまとめサイトも含めて考えれば、深さと間口の広さをかねそなえたメディアになり得ることは間違いないでしょう。

専門家というものは、専門分野と社会が深く関わるテーマについては、このお二人のように、積極的に意見を発表し公開の場で議論すべきだと思います。私は、法律の専門家もこのお二人のように積極的に発言してほしいと思います。

電網山賊の思考のメモから


実効性のある政策とは、現時点での権力構造をスタティックな前提とした上で、その状況の下で実行にある程度のコンセンサスが得られる政策のことである。

自分流に拡大解釈すると「知の枠組はそれ自体が権力である」ということです。専門家が、内輪でこっそり議論して最終的な結論だけを提示した場合、外部の者が「実効性のある」異論をとなえるのが難しい。それは、専門家集団が一般人に対してひとつの権力を行使していることだと思います。

法曹界に「高木・崎山論争」が無いのは、「素人につけ入られるスキをわざわざ作ることはない」という感覚ではないか。こういう論争を公開で行なえば、素人がその議論をベースとして意見をいいやすくなります。それは、専門家集団全体の利益を損なうのかもしれません。

しかし、議論の過程を隠すことで、素人を排除していけば、それはやがて、専門家集団全体への不信につながります。「トンデモな議論」が横行するのは、そのような不信が顕在化しつつある兆候であるとも見る必要があるのではないでしょうか。