衛星のオープンソース化

超小型衛星の打ち上げ成功が意味するものから。


アマチュア無線の周波数帯を使うことは、同時に衛星の追跡管制で、世界中のアマチュア無線愛好家の支援を期待できるということでもある。実際、東工大の衛星は、イギリスのアマチュア無線愛好家が最初に電波が正常に発信されていることを確認して通報してきた。もしも専用周波数帯と規格化された通信プロトコルを採用するならば、これに代わる追跡管制の仕組みを衛星の開発者達で整備しなくてはならない。インターネットでそれぞれの地上局を結んで相互に利用できるようにするといった仕組みを考えることになるだろう。

今回は他に空きがないので、苦肉の策としてアマチュア無線の帯域を使ったようだが、これを意図的にやって衛星へのアクセスを一般に解放してしまえば、大きな可能性が広がると思う。

現在の宇宙開発はIBMの巨艦メインフレーム時代と同じ段階にある。高い→失敗できない→過度のコントロールが必要になる。そのために犠牲になっていることが多いはずだ。安い衛星で無茶なチャレンジができる道ができれば、今はまだ埋もれている知恵によって既存の技術の新たな可能性が発見されるかもしれない。同じノイマン型CPUを使ったままで、IBM S360からネットにたどりつけたように。