コスト計算をした形跡がない

衆議院青少年問題に関する特別委員会における宮台真司氏の発言。From network styly *

オランダで麻薬に関する研究として、次の3つのグループで麻薬に手を出した人の割合を調査したデータがある。

  • 麻薬はいけないと教えたグループ
  • いけない理由を説明したグループ
  • 麻薬の是非を議論させたグループ

すると、議論をしたグループが最も少なく、禁止命令を出したグループは最も多い、という結果が出たそうだ。

宮台氏はこれを引用し、援助交際する人たちは、それに伴う危険(犯罪にある確率=コスト)と利益を考慮しているかという問いかけをする。


そういう危険にもかかわらず、つまり、あり得る確率論的な、簡単に言えばコストにもかかわらず、それをやる価値があるかどうかという判断を、つまりコスト計算をした形跡がありません。そのようなコスト計算をさせることは、抑止という観点からむしろ非常に重要でありまして、そのようなコスト計算をさせるためにも、禁止されているからだめなんだよという議論はむしろマイナスに働く可能性があると思います。

コスト計算=自己責任という概念のない人間が増植しているという問題意識は、さすがに鋭い。これでくくると大人の問題と子供の問題をいっぺんに処理できる。