マッタリアリズム

「本当に欲しいものがない」という実感は、今の若い人にとっては非常にリアルなものだと思う。欲しいものがない社会が、人類史上初めて実現されたわけで、この事実と飢えている人がたくさんいる国がたくさんあるという事実を、価値判断を止揚して等分に直視することを「マッタリアリズム」と呼ぶことにする。どちらかを無視したらそれは「リアリズム」でないと思う。

それで、「もう欲しいものがないんだ、すごいだろ」と自慢して日本が世界をリードすることはできないだろうか。これは、欲望や羨望をエンジンにして社会をいい方向に持っていこうという所で、資本主義と共通するものがある。案外、スジがいい思想になるのではないだろうか?