_

選挙と受験が共通にかかえる問題点。それは、選択が1回こっきりであることだ。選挙では数年に1度、受験では一生に一度。たった1回の選択であまりにも多くのものごとを決めてしまうのがおかしい。

これに対して市場というのは、選択そのもののメカニズムには、随分あやしい所や間違ってしまう要素がたくさんあるが、選択が連続的に続くということが問題点を全部帳消しにしてくれる。だから、IBMが作った大型コンピュータ中心の世界がわずか10年でパソコンの世界になり、それがまた10年でネットの世界になって、我々はその恩恵にあずかっている。

日本国民の総意が「改革は必要だけど、ソフトランディングにしてね」という所だとすると(もちろん私は同意しないけど)、今回の選択は、かなりいい線いってる。とりあえず森政権は継続するからすぐには変化はないけど、東京の自民党公明党の協力をもらっても大物が落選しているから、それなりの危機感を持つだろう。しかし我々は、この選択の結果に最長4年間にわたって縛られるわけで、途中で気がかわっても「やっぱりハードランディングにしよっと」というわけには行かないのがつらい所だ。つまり、1回こっきりの選択はうまくやっても結局はうまくいかない。